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2000年10月27日号
短期集中連載 「曲がり角にきた日本型ホテル経営」その3

大阪学院大学教授 仲谷秀一
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(仲谷秀一氏:本年度より、某都市ホテルGMから転出、現在大阪学院大学教授として活躍中、 HS21サイト中VHNメンバーページ参照)


      【曲がり角に来た日本型ホテル経営】
    〜日本のホテルは生き残れるのか〜


      {第三回 生き残りをかけて、日本のホテルの挑戦}


最終章 
日本のホテルが超えるべき、部門戦略の重要課題とは


1〈宿泊〉IT導入とYield Management

 日本のホテル事業経営(運営)再生のキーは、利益率の高い宿泊部門の売上強化にある。
客室収入増にもっとも有効であるのは、マーケティング思想をベースにしたYield Managementの手法である。 しかし、外資系ホテルではスタンダードであるこの手法を取り上げる、国内ホテル会社はまだ少ない。
 年間の利用者波動を、過去のデータに基づきフォーキャストし、更に、年次の特殊要因を加えて、販売戦略を構築する。 複数の販売チャネルに対し、波動を読み取り価格政策を迅速に実行する。 こうして、限りのある客室を"売り残しなく販売"し、収入を最大限に伸ばすことがYield Managementの概念である。
 ここでは、客室の予約担当は、予約受付係りではなく、いわばマーケットを先読みする為替ディラーに近い存在となる。
加えて、今後の客室販売において、IT導入によるインターネット予約の成否がホテルの死命を征する。
 

2〈宴会〉宴会マーケット縮小化における営業力強化

 企業や団体の宴会は、縮小傾向にある。 今後パイの増大を望めず、自ホテルの"特性"、立地に会わせたセールススタッフ、加えてセールスを後方支援するマーケティングスタッフの強化が重要となる。 
今後のホテル事業経営において、これら営業促進要員の資質、意識、経営陣のリーダーシップ、マーケットのポテンシャリティ、そして費用対効果の見極めが、キーポイントとなる。


3〈婚礼〉婚礼人口の急激な減少と多様化への対応

 戦後の第二期の婚礼ブームは、1970年〜74年生まれの団塊二世がマーケットの主流をなす1996年にピークを迎え、急速に衰退期に入っている。 2000年の婚礼受注状況は、都市部で、前年同時期比較15%前後の減少となっている。
 今後の人口動態からみたマーケット予測は、2000年度を基準値として、2005年85%、2010年 70%にまで縮小する。
また、海外挙式、レストラン婚礼などの婚礼需要の多様化により、ホテル・式場マーケットは更に縮小すると予想される。 
 情報化時代にあって挙式者の個性化、高品質化、適性価格化の傾向が強まり、優れた商品力、マーケティング力が要求され、この分野でも"勝組"、負組"がはっきり色分けされる。 
大阪地区にあっては1998年から1999年にかけ、既に20%のホテル・式場が、完全廃業または部門撤退を余儀なくされている。


4〈料飲〉ホテルレストランからの決別

 かって、高級、高価格、高品質で栄華を誇ったホテルのレストラン部門は、今や入店予測に苦しみ、材料コスト、人的コストのコントロールが難しいことから、宴会・婚礼部門以上に非採算部門に陥っている。 
 一般市場での、レストラン業態の変革スピードは 予想外に早い。それだけ消費に密着しているとも言える。 レストラン業態の変革は、より激しい競争を勝ち残った、街のレストラン、外食産業から確実に始まっている。ユーザーの目は、画一的なホテルレストランから、より個性的な街のレストランへと移っているように見える。
ホテルレストランにおいて、嘗てホテル的と言われた伝統的業態では、マーケットニーズに適合できず、カジュアルでフレンドリー、かつリーゾナブルプライスの新業態開発を実現出来ない限り、安定的な来客数、収入が確保できない。最近の例では、都市圏のターミナルに立地する新規オープンのホテルや、個性的な業態を開発した外資系以外、成功の例をみない。 


(あすにむけて)
 日本のホテルの生き残りをかけた挑戦は、これからも続くであろう。曲がり角にきた日本のホテルには、経営の変革、運営の再生、人材の登用・育成と、課題が山積している、しかし残された時間は少ない。一方、外資系ホテルにも かげりが見える。 宴会・婚礼・料飲部門の売上比率が70%にもなる、世界に類を見ない特異な日本型ホテル業態においては、ローカルマーケティングが極めて重要だからだ。 平均3年の総支配人在任期間では、外人総支配人に、首都圏はまだしも、大阪をはじめとする地域特性の強いローカルマーケットに精通することを期待することは難しい。

 日本のホテルの"変革"と外資系ホテルの"日本人総支配人"、生き残りをかけたキー・ワードは見えた、しかし道は遠い。21世紀は、もうそこまできている。



▼つづく。。。。。To be Continued・・・・・・


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